更新日:2016年12月1日
北谷町域の遺跡分布図
27.山川原古墓群(北谷町字大村山川原448・450・454番地 他)
北谷城のある丘陵部は、東側のほうに大まかに三つの尾根からでき、略東西に延びている。その最も東側の尾根は標高41メートルほどあり、東側と北側に崖を形成していて、その崖の上部の岩陰や中腹部の小段丘に古墓が形成されている。
調査の対象になった古墓は、崖の北側中腹に残存する6基をおこなった。それらは全て崖面を掘り込みにより形作るフインチャーの技法であった。奥行き3.5メートル、幅約2メートル、高さ1.5メートルの墓内の空間を作り、墓口は方柱状の石灰岩の切石をもちいて亜字形に組み、その両側と上部を一抱えほどの切石や自然礫で埋めて境としている。
墓内は厨子甕を安置する特定の階段はなく、平坦である。前庭部は墓内から掘り出された土砂により、平坦に形成しているが、幅約1メートル弱であることから、数名の人がやっと座れるほどの狭さである。
当地域から出された厨子甕は墓の特定ができなかったが、厨子甕やその蓋に墨書のあるものが35例あり、判読した玉木氏の説明によると、古いもので1715から1725年代までのボージャ厨子甕や蓋がみられる。また、人骨に混在してヤコウガイ製の貝匙が一点検出された。