更新日:2016年12月1日
北谷町域の遺跡分布図
8.浜川ウガン遺跡(北谷町字浜川47番地)
県道23号線(国体道路)が国道58号に接する三差路の真向かいに、長さ15メートル、幅10メートルの楕円形で、高さ10メートルあまりの楕円柱状に切り立った石灰岩塊が突出している。ここは浜川集落の拝所になっていて、『琉球国由来記』にみられる「島森ヨリアゲノ嶽」にあたるという。
丘陵部の南側にあたる基部の緩斜面一体に海水産貝殻が散在している。1979年の調査によると砂丘系のくびれ平底土器が採集できるという。
採集土器はくびれ平底土器のみで、グスク土器や他の土器は含まれていない。また、タカラガイの装飾品も採集されている。同種のペンダントは伊是名村具志川島遺跡群第7地点でも採集されている。
これらの遺物が散在している基部の緩斜面は石灰岩の基盤が露頭しているのみで、なんら施設らしき痕跡は確認できない。また、楕円柱状の丘陵上部から投棄されたと仮定してみると、上面によじ登るのに困難なことと、頂上部は基盤が露頭した凹凸が激しく狭いことから、生活できる場所とは不適当と考えられる。このことから当遺跡は生活址というよりは祭祀遺跡の可能性が高く、類例遺跡としては伊是名村アギギタラ貝塚があげられ、時期的にも同時期な遺跡である。
