更新日:2021年12月24日
マンホール蓋、どうやって製作しているの?
50周年を記念して町内に設置された記念マンホール蓋。
どうやって製作されたのか、みなさん興味ありませんか?
このページでは記念マンホール蓋を製作する様子を「ちらっ」とお見せいたします。
マンホール蓋は鋳物(いもの)です
そもそもマンホールの蓋ってどうやって形作られているのでしょう?
丸く切り出した円盤を彫刻して模様を刻んでいるのでしょうか?
いえいえ、マンホールの蓋は「鋳物(いもの)」なんです。
「鋳物」とは、「型」に熱して溶けた金属を流し込み、冷やして固めたものをいいます。
素材
では、マンホール蓋の素材は何でしょう?
マンホールは主に道路上に設置されるため、車両が上を通っても割れない丈夫さが必要です。
また、金属は硬過ぎると割れやすくなってしまうので、しなやかさも求められます。
この二面性を兼ね備えた素材として、現在作られているマンホール蓋のほとんどに「ダクタイル鋳鉄(FCD700)」が用いられています。
ダクタイル鋳鉄は、鉄に炭素やシリコン、マンガンなどを添加した合金です。
今回記念マンホール蓋を製作していただいた「沖縄鋳鉄工業株式会社」さんでは、このダクタイル鋳鉄に用いる「鉄」に廃材を活用し、「沖縄県リサイクル資材(ゆいくる)」の認定を受けており(認定第17-1号)、循環型社会の構築に一役買っています。
「沖縄県リサイクル資材評価認定制度(ゆいくる)」については
こちら(沖縄県公式サイト)(外部サイト)
製作過程を見てみよう!
それでは記念マンホール蓋の製作過程(の一部)を順を追って写真で見てみましょう!
注:写真の一部は沖縄鋳鉄工業株式会社さんよりご提供いただきました。
1.模型作り
まずはマンホール蓋の「型」を作るための「模型」を製作します。
デザイン画に合わせてアルミ板を切ります。
2枚目の写真で作業台が少し斜めになっているのがお分かりいただけるでしょうか?
斜めに切っているのには理由があります。
「型」は「模型」を「砂」に押し付けて作るのですが、斜めに切ることで、「模型」が「砂」から外しやすくなるのだそうです。
切り出したパーツを配置してビス止めし、模型の完成です。
パーツを正確な位置に配置するためには、切り抜いた部分も重要で、捨てたりしないそうです。
パッチワーク柄のマンホール蓋は模様が細かく、また、パーツ数もかなり多くなったため、通常より作業に時間がかかったそうです。
2.型作り
出来上がった模型を砂に押し付けて「型」を作ります。
型に用いる砂は圧が加わると固まります(ガチガチに硬くなるわけではありません)。
ギュッと手で握るとこのとおり。簡単に団子状に丸まりました。
模型を砂に押し付けて型が出来上がりました。
写真は表部分だけですが、実際には裏部分の型も作り、合わせます。
右の写真で赤茶色になっているのは、型崩れ防止のために塗型材が塗布されたためです。
3.注湯
型が出来上がると、炉で溶かした鉄(ダクタイル鋳鉄)を注ぎ込みます。これを「注湯(ちゅうとう)」というそうです。
写真は炉から溶けた鉄を取り出しているところです。
このあと型まで運び、鉄を注ぎ込みます。残念ですが、高温で危険なので写真はありません。
注ぎ込んだ後はゆっくりと冷まし、冷え固まると型から取り出されます。
この時に型はバラバラになりますが、砂は回収されて可能な限り再利用されます。
4.着色
鋳物としてのマンホール蓋が出来上がると、研磨や下地塗装処理を経て、いよいよ塗料を流し込みます。
流し込む塗料はエポキシ樹脂で、乾くとカチカチに硬くなります。
乾くまでの時間も早いので、手際の良い作業が求められるそうです。
流し込む塗料ですが、ドロっとしているのかな?と思いきや、とても粘度が低くサラサラした液体状です。
粘度が低いので隅々までいきわたるようです。
今回製作した記念マンホール蓋は、同じデザインの色違いというパターンだったので、色を差し違えないようにイラスト図との照らし合わせが都度行われました。
写真からもわかるように、塗料は「凸」部で囲まれているエリアに1色流し込まれます。
カラーマンホール蓋を製作する際には、これを踏まえてデザインを作っています。
「ぬり絵」を作るイメージといえばわかりやすいでしょうか。
5.完成!!
カラー塗料の流し込みが終わると最後に表面を保護するためにトップコート処理をして、完成となります!
町内への設置工事が始まるまでの間、上下水道課で保管されていたマンホール蓋です。
せっかくなので、平成29年度に登場したカラーマンホール蓋、翌年度同デザインに変更したノンカラー蓋と共に写真を撮りました。
普段はあまり意識されない下水道ですが、足下から少しばかりの楽しみをお届けできれば幸いです。
50周年記念マンホール蓋のマンホールカードが登場します!(次のコンテンツ)