更新日:2016年12月1日
1)北谷グスク内の拝所(北谷町大村城原369番地)
かつての北谷グスクには、「東リ御嶽」、「西御嶽」、「殿」の三つの拝所があった。
以下、それらの所在地や祭祀について聞き取り調査をもとに紹介する。
(1)東リ御嶽
東リ御嶽は戦後、キャンプ瑞慶覧内の長老山に遷座されたが、1993年12月に、北谷グスク三の郭南側に拝所が再建され、同年12月に再びグスク内に遷して祀った。『北谷町海岸・海域地名』(P13)の記述から、この東リ御嶽は『琉球國由来記』にみる「ヨシノ御嶽・神名テンゴノ御イビ」ではないかと推測される。
北谷ノロ殿内家人によると、この東リ御嶽には戦前まで、山原クボー御嶽(今帰仁のクバ御嶽と思われる)へのお通し所があったという。現在の東リ御嶽における主な行事は、5月ウマチーと6月ウマチーである。
1993年度の両ウマチーでは、神酒の代用として市販のにごり酒を供えて、北谷ノロ殿内の家人や旧字北谷郷友会による祈願がおこなわれた。