上・下勢頭区古墓群

更新日:2016年12月1日


北谷町域の遺跡分布図

9.上・下勢頭区古墓群(北谷町字上勢頭平安山伊森原・伊礼伊森原・下勢頭平安山下勢頭原)

 字上・下勢頭区は18世紀以後、首里・那覇の人々が入植した地域として著名で、その入植した人々が使用した墓域として上・下勢頭区古墓群は知られている。
 調査地域は字上勢頭平安山伊森原・下勢頭平安山下勢頭原・伊礼伊森原の三つの小字にまたがる地域である。調査地区は、通称ウーシーモーと呼ばれる丘を東側の起点とする谷間と、その南側に位置するシシクムイを東側の起点とする二つの谷間が対象地域であった。
 発掘調査の発端は、嘉手納飛行場内の米人家族住宅建設に伴う事業で那覇防衛施設局がおこなったことによる。発掘調査を1983年におこなった。
 今回の地区には136基の墓の存在が確認されたが、仮墓を加えると186基になる。それらは、数基を単位として存在しているのが判断できた。
 墓の作りは、基本的に谷間の石灰岩と石灰砂岩の互層が露出している硬い石灰岩の部分を天井とし、柔らかい石灰砂岩層を掘り込んで墓内として巧く利用している。その掘り出された石灰砂岩を墓前に平坦に敷き、ハカヌナー(墓庭)として用いている。
 各墓の形態は、大まかに大中小の規模に分けることができる。総数136基の内、6分の1が大型の亀甲墓・破風墓、6分の2が中型のフインチャー(掘込墓)、6分の3が小型のフインチャーや岩穴墓であった。これらは、各グループの内で混在するものもみられるが、大まかには中型の集中するグループ、小型の集中するグループの傾向がみられた。

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