○北谷町議会基本条例
令和8年6月24日
条例第22号
目次
前文
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 議会及び議員の活動原則等(第3条―第6条)
第3章 議会と町民の関係(第7条―第11条)
第4章 議会と執行機関の関係(第12条―第16条)
第5章 議会力及び議員力の充実(第17条―第23条)
第6章 政治倫理、議員定数及び議員報酬等(第24条―第26条)
第7章 議会の体制整備(第27条・第28条)
第8章 多様性の尊重(第29条)
第9章 災害時の議会対応(第30条)
第10章 米軍基地から派生する諸問題への対応(第31条)
第11章 最高規範性、見直し手続等(第32条―第34条)
附則
北谷町議会は、町民の負託に応え、町民福祉の向上と町政の発展に資するため、その役割と責務を自覚し、開かれた議会を実現しなければならない。
社会情勢が大きく変化する中、町民の価値観や地域課題は多様化しており、地方自治の果たす役割はますます重要となっている。
国による画一的な決定にただ従うのではなく、地域の実情に即した主体的な判断のもと、町民一人ひとりの思いを礎として自治を築いていくことこそが、真に求められる政治の姿である。
とりわけ、広大な米軍基地と隣接する本町において、基地から派生する諸問題は、町民の命と暮らしを守るために避けて通ることのできない最優先課題である。よって、私たちは思想や立場の違いを越え、地域の苦悩と実情を訴え、変革を促していくという地方議会としての重責を担い続けなければならない。
議会は、町民から負託された合議制の代表機関として町長と対等の立場に立ち、行政の提案する予算や条例等を審議し、決定する議決機関として責務を負うとともに、行政運営を監視・評価し、政策形成に主体的に関わる責務を負う。首長には人事権、執行権、予算編成権など大きな権限が与えられているが、その適切な行使は、議決権を有する議会の確かな意思にかかっている。議会と町長は自治を支える両輪として、緊張感を保ちつつ切磋琢磨し、より良い町政の実現に努めなければならない。
本町議会は、長きにわたる議論と研鑽を重ね、今なし得る最善の形として本条例を成案した。
本条例は、町民の声を受け止めながら不断に見直し、発展させていくべきものである。小さな声にも耳を傾け、その思いを代弁し、政策や制度等として町政に反映させていくことを私たちは町民に約束する。
北谷町議会は、議会に課せられた使命と責任を達成するため、ここに「北谷町議会基本条例」を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、地方自治の本旨に基づき、二元代表制の下、合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会及び議員の責務、活動原則その他の議会に関する基本事項を定めることにより、議会がその権能を発揮し、町民の負託に的確に応え、もって町民福祉の向上と北谷町の発展に寄与することを目的とする。
(基本理念)
第2条 議会は、町政における唯一の議事機関として多様な町民の意思を適切に町政に反映させるため、自主性及び自立性を高め、広く情報を公開し、公平、公正かつ真摯な議論を通じて、地方自治の本旨の実現を目指すものとする。
第2章 議会及び議員の活動原則等
(議会の活動原則)
第3条 議会は、町民の代表で構成される機関として、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 議会活動を町民に対して説明する責務を果たすため、公正性・公平性・透明性及び信頼性を重視し、積極的な情報提供及び情報公開を図り、町民が参画しやすい開かれた議会運営を行うこと。
(2) 町民の多様な意見を把握し、政策立案、政策提言等(以下「政策立案等」という。)の強化に努め、町政及び議会活動に反映させること。
(3) 町民本位の立場から、議会本来の機能である政策決定並びに町長その他の執行機関(以下「町長等」という。)の事務について、適正かつ公平、効率的に行われているか監視及び評価を行うこと。
(4) 町民の関心が高まるよう、町民に分かりやすい視点、方法等で議会運営を行うこと。
(議員の活動原則)
第4条 議員は、議会を構成する一員として、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。
(1) 言論の府であること及び合議制の機関であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議を重んじ、議会全体の合意形成に努めること。
(2) 町政の課題全般について、日常の調査及び研修活動を通じて自らの資質の向上に努めるとともに、町民の意見を的確に把握し、町民の負託に応えること。
(3) 町民全体の奉仕者として、一部の団体及び地域の個別的な事案の解決だけでなく、政策立案等を通し、町民全体の福祉の向上を目指すこと。
(議長及び副議長)
第5条 議長は、議会の代表者として中立かつ公平な立場においてその職務を行い、議会の秩序を保持し、民主的な議会運営を行わなければならない。
2 議会において過半数議決を要する場合で、賛成と反対が同数で議長が裁決するときは、議長は、現状維持の原則を考慮しなければならない。
3 副議長は、議長を補佐し、議長の責務の遂行に寄与しなければならない。
(議会及び議員の責務)
第6条 議会及び議員は、この条例に定める理念及び原則並びにこれらに基づいて制定される条例、規則、規程等を遵守して議会を運営し、もって町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
第3章 議会と町民の関係
(会議の公開と町民参画機会の確保)
第7条 議会は、全ての会議を原則として公開するものとする。
2 議会は、町民の多様な意見を議会活動に反映することができるよう、町民が議会活動に参画する機会の確保を図るものとする。
(説明責任)
第8条 議会は、議会としての意思決定又は政策決定をしたときは、その議決責任を深く認識するとともに、町民に対して説明する責務を有する。
2 議会は、議案に対する議員の賛否を公表するとともに、議会が保有する情報の提供を図るものとする。
(議会報告会及び町民との意見交換)
第9条 議会は、議会で行われた議案等の審議の経過及び結果について町民に報告するとともに、町政全般に関する課題について意見交換を行うための議会報告会を毎年開催するものとする。
2 議会は、前項の議会報告会のほか、町民及び各種団体の多様な意見を的確に把握するための意見交換の場を設けるものとする。
(請願及び陳情)
第10条 議会は、請願及び陳情を町民による政策提案と位置付け、真摯に取り扱うものとする。
2 議会は、より深い審議を行うため、必要に応じて請願者又は陳情者による請願又は陳情の趣旨の説明の機会を設けるよう努めるものとする。
3 議会は、請願者又は陳情者に対し、審議結果の伝達並びに処理の経過及び結果の情報の提供を図るものとする。
(広報広聴の充実)
第11条 議会は、町政及び議会に関する情報を町民に提供するとともに、町民の意見、要望等に係る内容及び対応について積極的に公表するものとする。
2 議会は、情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用して、多くの町民が議会及び町政に関心を持つよう広報広聴活動の充実を図るものとする。
3 議会は、議員が主体となり議会活動を伝える議会だよりを町民に分かりやすく作成し提供するものとする。
第4章 議会と執行機関の関係
(町長等との関係)
第12条 議会は、町長等と常に緊張ある関係を保持し、事務の執行の監視と評価を行うとともに、政策立案や政策提言を通じて、町長等とともに、公平かつ公正な町政の発展に取り組むものとする。
2 一般質問は、町長等に事前通告するものとする。
(資料請求)
第13条 議会は、町政の調査及び研究並びに会議における討議に資するため、町長等に対し、その執行する事務に関する資料の提出を求めることができる。
(一問一答方式及び反問権)
第14条 議会の会議における一般質問は、町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行うことができる。
2 議長から本会議、委員会及び全員協議会への出席を要請された町長等は、議員の質疑及び質問に対して論点及び争点を明確にするため、議長又は委員長の許可を得て答弁に必要な範囲内で反問することができる。
(監視及び評価)
第15条 議会は、町長等の事務の執行が適正かつ公平性及び効率性をもって行われているか監視し、及び評価するとともに、必要があると認めるときは、適切な措置を講ずるよう促すものとする。
(議会意見の尊重)
第16条 町長等は、予算及び政策形成過程において、議会で集約された意見を最大限尊重するよう努めるものとする。
第5章 議会力及び議員力の充実
(議長及び副議長の選出)
第17条 議長及び副議長の選出は立候補制とし、立候補する議員は、選挙に先立って所信表明を行うものとする。
2 立候補する議員の所信表明に関し必要な事項は、別に定める。
(委員会等の適切な運営)
第18条 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会(以下「委員会等」という。)及び全員協議会は、町政の課題等に迅速かつ的確に対応するため、その機能を十分に発揮するよう運営しなければならない。
2 委員会等は、その専門性と特性を活かし、所管事務調査の積極的な活用により、政策の立案、政策の提言その他の能動的な活動に努めるものとする。
3 委員会等は、地域住民に関わりが深く、かつ関心の高い事案について、必要があると認めるときは、当該地域において委員会を開催することができる。
(議員間討議及び意見集約)
第19条 議員は、あらゆる会議において、自らの意見、考えを丁寧に述べるとともに、他の意見に対しても真摯に耳を傾け、議員相互間の自由な討議を尽くして合意形成に努めなければならない。
2 議長、委員長等は、議員間での討議を中心に会議を運営し、その結果を町政に反映させられるよう意見集約に努めるものとする。
(議員研修の充実強化)
第20条 議会は、議員の政策形成及び政策立案の能力の向上を図るため、積極的に議員研修の充実強化を図るよう努めるものとする。
2 議会は、議員研修の充実及び強化に当たり、広く各分野の専門家、多様な立場の町民等から情報を得て、研修会、研究会等を積極的に開催するものとする。
(政務活動費の交付、報告、公開)
第21条 議会は、議員の町政に対する調査研究及び政策提言に資するため、政務活動費を有効に活用し、積極的に調査研究その他の活動を行うものとする。
2 政務活動費の交付を受けた議員は、公正性、透明性等の観点に加え、その支出根拠が議会の議決事項である予算に依拠することから、町民等から疑義が生じないよう、活動内容、費用等、証票類を添付した報告書を議長に提出しなければならない。
3 議長は、議員から提出された収支報告書等を積極的に公表しなければならない。
4 政務活動費に関し必要な事項は、別に条例で定める。
(予算の確保)
第22条 議会は、二元代表制の趣旨を踏まえ、議事機関としての機能を確保するとともに、より円滑な議会運営を実現するため、町長に対し必要な予算の確保を求めるものとする。
(議会改革の推進)
第23条 議会は、議会の信頼性を高めるため、継続的な議会改革に取り組むものとする。
2 議会は、前項の改革に取り組むため、必要に応じて議員で構成する推進組織を設置するものとする。
第6章 政治倫理、議員定数及び議員報酬等
(議員の政治倫理)
第24条 議員は、町民全体の代表者として高い倫理性が求められていることを常に自覚し、良心及び責任感を持って議員の品位を保持し、識見を養わなければならない。
(議員定数)
第25条 議員定数の改正に当たっては、行財政改革の視点及び他町村との比較だけではなく、町政の現状と課題並びに将来の予測及び展望を考慮するとともに、町民の意見を聴取し、総合的に勘案するものとする。
2 議員定数は、別に条例で定める。
(議員報酬等)
第26条 議員報酬等の改正に当たっては、行財政改革の視点及び他町村との比較だけではなく、町政の現状と課題並びに将来の予測及び展望を考慮するとともに、町民の意見を聴取し、総合的に勘案するものとする。
2 議員報酬は、別に条例で定める。
第7章 議会の体制整備
(議会事務局の強化)
第27条 議会は、議会の政策立案、政策提言能力の向上及び監視・評価機能の強化を図るため、議会事務局の調査機能及び法務機能の充実強化並びに組織体制の整備に努めなければならない。
2 議会事務局職員は議長が任命する。その場合、町長等は、議会事務局の職員人事に関して、事前に議長と協議しなければならない。
(議会図書室)
第28条 議会は、議員の調査研究に資するため、議会図書室を適正に管理運営するとともに、図書及び資料の充実に努めるものとする。
第8章 多様性の尊重
(多様性の尊重)
第29条 議会は、多様性を尊重し、議会活動と育児・介護等が両立できる環境整備等に努め、多様な立場の町民の声が反映されるようにしなければならない。
2 議会は、年齢、性別、多様な性の在り方、障がいの有無や程度、文化的な違い等を認め合い、議会活動できる環境整備に努めなければならない。
第9章 災害時の議会対応
(災害時の議会対応)
第30条 議会は、町内において災害が発生した際は、町長等と連携して、円滑に支援活動が行われるよう協力しなければならない。
第10章 米軍基地から派生する諸問題への対応
(米軍基地から派生する諸問題への対応)
第31条 議会は、町民の生命、財産、安全を守る立場から町土面積の約52パーセントを占める米軍基地から派生する諸問題の解決促進に取り組むものとする。
第11章 最高規範性、見直し手続等
(最高規範性)
第32条 この条例は、議会における最高規範であって、議会に関する条例、規則等の制定を行うときは、この条例の趣旨を踏まえ整合を図るものとする。
2 議会は、議員にこの条例の理念と趣旨を浸透させるため、改選後においては速やかに、この条例に関する研修を行わなければならない。
(見直し手続)
第33条 議会は、この条例の目的が達成されているかどうかを検証しなければならない。
2 議会は、前項の検証の結果、議会に関する条例、規則等の制定改廃が必要と認められる場合は、適切な措置を講ずるものとする。
3 議会は、この条例を改正しようとする場合は、本会議において、改正の理由及び背景を詳しく説明しなければならない。
(委任)
第34条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、議長が会議に諮って定める。
附則
この条例は、令和9年4月1日から施行する。