北谷町の地名 -戦前の北谷の姿-
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凡例本報告書は、現在の北谷町域の範囲に沖縄戦以前に存在していた23の集落出身の話者に、大正年聞から昭和初期頃に用いていた生活圏内の地名について、聞取り調査を行なった結果を記載したものである。調査の地理的範囲は、現在の北谷町域内を原則とし、沖縄戦以前に存在していた23 集落を対象とした。調査内容を記録した録音テープ・写真、得られた情報を整理したデータは、北谷町教育委員会が保管している。聞取り調査によって得られた情報は、集落単位で章立てして記載した。一つの章のなかには、集落全体の立地・特徴・年中行事などをまとめた節と、地名一語ごとに辞書的に記述した節を設けている。また、地名が示す場所は、空中写真と地図の合成図版、および集落の屋敷配置を復元した屋号地図の図版によってあらわした。集落全体の特徴および地名の解説は、話者の語った説明をまとめたものである。空中写真と地図の合成図版のうち、空中写真は、北谷町役場が所有する2002年の北谷町域の空中写真、および沖縄県公文書館所蔵の「米軍撮影空中写真J(1945年2月28日撮影、表題:ON24146057-1,057-2,058-1,058-2,059-1,059-2,ON14245 071-2) を用いた。地図は、現在の地籍図のベクトルデータを土台に、聞取りで得られた情報と上記の「米軍撮影空中写真」を参照しながら、戦前の道路・河川・ランドマーク・集落の屋敷配置などを復元したものである。本報告書の編集にあたっては、次の点に留意した。・方言の表記は、原則的として話者の発音に沿ったカタカナ表記を用いた。-本報告書中で項目としてとりあげた地名は、文中でもゴシック体で表記した0・方言語嚢など、解説が必要と思われる単語に注を付した。-植物名、動物名は原則としてカタカナ書きにし、()で和名を記した。・紀年の表記は原則として元号を用い、()で西暦を示した。地名項目は右の一覧表に従って分類し、おおむね分類順に記述しであるが、説明内容や、前後の項目との関連性などから、分類順によらない場合がある。掲載写真については、主に北谷町教育委員会(文化係)所蔵写真を使用したが、他に浜川出身の新垣政男氏から提供していただいた。一.掲載イラストについては、桑江ヌ中屋取の比嘉昌信氏が描いたものを提供していただいた。調査にあたって、各集落の郷友会長をはじめ、各区長のみなさまに便宜をはかつていただいた。記して感謝の意を表したい。本報告書で地図によって示された場所には、米軍用地、個人有地、私設の設備・建築物等が含まれている。本報告書を参照に地名の示す場所を訪ねる場合には、土地所有者や周辺住民の権利を侵害することのないよう、充分ご配慮いただきたい。14

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