北谷町の綱引き
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⑨ 字北谷メンダカリ・ガーラシの衣装戦後第l回目のウミナイビの衣装は、鶴を刺繍した金繍の打ち掛け姿で、供は黄色地の紅型に赤い縁取りのされた着物であった。その下からは、ドゥジンをつけて、現在の様な舞踊化粧はせず、頭に鉢巻や着物に棒掛けをした記憶もないという(伊樟康雄さん談)。戦後ガーラシの衣装はノロ殿内で保管されて代々継承されていくが、戦後第l回目(J974 年)の時の衣装は、台風の影響で、衣装が濡れたり、汚れて痛んだりしたため、第2回目(1986年)にドゥジン・ナカグミ(色物紅型)・按司の着物・兜を新たに仕立てさせたという(ノロ殿内末吉文さん談L1998年の大綱引きの衣装は1986年から継承された衣装である。しかし、今回は衣装の襟部分のみを、本番2日前に拝みをいれてから、過去3回とも衣装の世話係をしている仲村渠敏子さんによって取り替えられた。綱引き当日のウミナイビとその供は、北谷町保健相談センターにて化粧を済ませた後、ノ口殿内にてガーラシの衣装に着付けをする。白の肌着の上より、白衣装をつけてから紅型衣装をはおる。紅型衣装の文様には、垂桜・流水・藤・菖蒲・燕・鳳風などが捕かれていた。ガーラシの際に双方の支度を乗せたソージが、綱の後方からカニチグチに向かつて登場してくる。綱の半分までくると、いったんは後退。その後ウミナイビと供は、紅型の衣装とその上から結んでいた紫の長巾をはずし、白衣装に俸掛けをして、白鉢巻の仇討ち姿で再登場する。写真2-79 霊をつけているところ(前)写真2-80 霊をつけているところ(後ろ)-84-

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