北谷町の綱引き
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(2)楽器大綱引きには、北谷、伝道、玉代勢の三ヵ村でそれぞれボラ(ブラともいう。法螺)、ソーグ(鉦鼓)、テーク(締め太鼓)、チヂン等の楽器を使う。ボラやソ一グ、テ一クの担当者をそれぞぞ、れ“ボラチリをまとめて“チンク"と呼んだ。“00チリ"とは、集団、もしくはグループという意味を表しているようである。乙の他、ミチジュネーに参加する踊りには、三味線弾きが地謡として一緒について回る。ここではボラやソーグ、テーク、チヂン、三味線等の大綱引きに使われる楽器類について報告する。ポラチリは、ホラ貝を使った。戦前、伝道で、は尋常小学校低学年の男子、女子が参加した。ボラチリのボラは、音の鳴る物と鳴らない物の2種類ある。北谷で音の鳴るボラは、年配者2人が吹いていたという。その後を音の鳴らないボラを持つ4"'5歳以上の男児、女児が続いた。ボラチリで使うホラ員は海から取ってきた。玉代勢でも就学前から尋常小学校の男子、女子が参加した。ホラ貝は思納村仲泊辺りから購入した。購入したホラ貝は、先を削って口部分を磨いて音が鳴るように作った。ポラチリの指導は父兄が行った。音の出るボラは、尋常小学校6年くらいから高等科ほどの子どもに吹かせた。ボラはスネーの始まりと終わりの合図として使われた。1998(平成10)年の大綱引きでは、北谷が小学校低学年を中心に男子女子合わせてメンダカリが39人、クシンダカリが30人参加した。玉代勢は、小学2"'6年生の男女39人が参加した。伝道では、小学生を中心に7"'17歳の男女32人が参加した。ポラは、前回1986(昭和61)年の時に使ったボラに不足分を追加、購入して使った。ロdAq 写真2-25 ボラ右から音の鴫るボラ(長さ30叩)、音の鳴らないボラ(長さ25cm(中〉、長さ18叩〈左))。写真2-26 ソーグとパチソーグの直径約13cm。上のパチは練習では使われたが、音の響きが良くなかったので綱引きには使われなかった(伝道)。写真2-27 テークとパチテークの直径30叩、パチの長さ約40cm

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