北谷町の綱引き
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④旗頭の練習と持ち方1998 (平成10)年の北谷三ヵ村大綱引きにむけて旗頭の練習が、6月中旬から始まった。それに先駆けて北谷三ヵ村大綱引き実行委員会では、1998(平成10)年5月23日(土)に中城村にある成田材木庖で旗頭用の竹竿14本を発注した。14本の中には練習用の竿も含まれている。竹竿の長さは、1986(昭和61)年の大綱引きで使った旗竿が玉代勢に保管されていたこともあって、それを参考に5mとした。また86年の旗竿が太くて持ちにくかったとの意見も留意し、あまり太くない竹竿を選んだ。当初、材木店には5mの竹竿はなく、6m50cmの竹竿しかなかったので、別発注となった。この他にもカイマタ用の細い竹竿と、旗頭を立てる杉材の杭も発注した。さて、旗頭の練習は、北谷では旧北谷町役場駐車場で6月17日(水)から始まった。練習日は、月・水・金曜日の午後7時からであった。大綱引きの日が近付くにつれて練習場所が北玉小学校グランドでボラチリやソーグチリ、テークチリも含めて合同練習を行った。旗頭の練習方法は、竹竿(椋欄縄などは巻いていなし~)の先にタイヤを括り付けて重みをつけた。タイヤに穴を聞けて縄で竹竿と結び、ずれ落ちないように固定した。またバランスを保つ縄は3本取り付けた。このような竿を持って練習した。練習も後半になると、練習用の竿に前回(1986年)使った飾りを取り付けて練習した。玉代勢では、6月20日頃から北玉小学校グランド(旧北谷町役場駐車場も利用した)で毎週日曜日午後2時から4時まで練習した。大綱引きの日が近くなると練習日を増やした。練習は竹竿の先にタイヤを串刺し状にし、タイヤの周囲に蒲葵の葉をつけてそれを持った。竿には3本の縄を取り付け、カイマタも使った。戦前は、竹竿の先に束ねたワラを括って練習したという。伝道は北谷町保険相談センターの駐車場や広場で練習した。同所ではボラチリやソーグチリ、テークチリ、踊りの練習も行っていた。練習用の竿は、竹竿にタイヤを串刺し状にし、縄を3本つけたものであった。北谷をはじめ玉代勢、伝道の旗頭の持ち方は、旗頭持ちが腰にサラシを巻き、その上に旗竿の底を乗せる。片方の手(下側)でそのサラシと竿底を前から押さえ、もう一方の手(上側)で旗竿を握る。その際、持ち手は竿頭の飾りを見ている。風の強かった綱引き場(安良波公園)では、旗頭持ちが向かい風の状態で旗頭を持ち、いく分旗頭を反対側に倒すように持った。いわゆる吹いてくる風に旗頭を持たせるのである。そして旗竿を握る手で竿を反対側に軽く押し、風に押し戻されないようにした。このように旗頭を持つと、ソーグのリズムに合わせて旗頭を上下に揺らしつつ、膝を軽く曲げ屈伸しながら前進した。旗頭のバランスを保つには、旗竿に括り付けている縄とカイマタを使った。縄は3本ついており、持ち手のバランスが保たれている時には、縄を弛ませておく。そして旗頭が傾くと、縄を操る者は傾いた竿の反対側に移動し、縄を引っ張って体勢を立て直す。あまり縄を強く引っ張り過ぎると、位置的に旗頭の中心となる持ち手に旗頭の重さだけでなく、縄を引っ張る力も加わるので、その分負担が大きくなる。カイマタは、先が二叉に分かれqL aq

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