北谷町の綱引き
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豊年jであった。双方とも文字の右側に“字玉代勢"と書かれ、また文字の上には交叉する2本の鎌と稲穂、が描かれ、旗の縁も2本とも赤色となった。この旗を掲げる横竿の先は槍状になっており、そこに蝶結びしたフサを付け、その反対側に吹流しを取り付けた。横竿もl本の棒ではなく2本の棒で、旗竿に取り付けられたアルミ製の金具に、その棒をはめ込んで組み立てる仕組みであった。旗を掲げる縦竿は、北谷や伝道が竹竿を使わずに縄を使って旗竿に括り付けたのに対し、玉代勢は旗を竹竿に通して旗竿に括り付けた。旗竿は長さが4m20cmで、旗頭持ちが持つ部分を除いて紅白のテープを巻いた。旗頭のバランスを保つために縄3本とカイマタを用いた。このときの旗頭は、津嘉山政徳さんが製作し、骨組みもアルミ製になった。ハチカクドウールーは、骨組みに障子紙を貼りつけた。ボタンドウールーの花の部分は、比嘉カズオさんにボタンの絵を描いていただき、それを貼りつけた。そして側面には障子紙を貼りつけた。1998 (平成10)年の大綱引きに玉代勢はメンダカリに属した。旗頭も1986(昭和61)年に使用したのを修理して使った。津嘉山政徳、さんをはじめ、照屋光久さん、仲村渠敏雄さんの3人で修理、工作した。竿頭の飾りに変化はないものの、前回、ハチカクドウールーの下に飾った4枚のモンバイから赤い団扇2枚と3枚1セットの葉2枚に変わった。この赤い団扇には「三ヵ村-が手を取り合っている様子J、という意味で黄色い三つの円で三角形を描き、そこに「三、ケ、村jと書いた。またボタンドウールーの下には、2枚のモンパイと葉2枚が取り付けられた。津嘉山さんによると、トウールーの下に飾るモンバイと葉の配置は、1986(昭和61)年の旗頭が本来の形だという。旗頭の長さは旗竿が415cm、竿頭の飾りがそれぞれ120cm前後(灯能部分の高さで、蝶の部分は含んでいない)で、全長およそ535cmであった。旗は1986(昭和61)年に使用したものを使い、ボタンドウールーに「祈豊年J、ハチカクドウールーに「招豊年Jを取り付けた。旗竿は竿頭部分に椋欄縄を巻き、その上に紅白のテープを巻いた。旗頭のバランスを保つために3本の縄をつけ、カイマタを3本用いた。旗竿にはカイマタを当てたときに滑らないよう、アルミを円形に加工して旗竿にはめ、カイマタ当てとして使っていた。大綱引き終了後、旗頭は津嘉山政徳さん宅に保管された。写真2ー16旗頭に取り付ける団扇の製作(1998 玉代勢)向〈un《U

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