北谷町の綱引き
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の杭打ちから始まった。杭は縦横4cmの木製で一般に市販されているものである。これを大綱の幅に近い74cm間隔で2本打ち、このセットを3m間隔で打っていった。杭の本数は21組42本であったのでカニチ口から杭の端までで63mとなる。次に網の整形が始まる。まず、使用する綱をすべて杭の横に伸ばして並べた。次に数m間隔で50人程で網を持ち、網を打ったのと同じ方向にねじった。これは網の強度を上げるために行われたものである。当初は専用の機械を使用しようとしたが使い馴れていないためこの方法をとった。この作業の後、網を二つ折りにして杭の聞に入れていった。前述したように、網は最長150mを始めとして様々な長さの網がある。これをきちんと2つ折りするわけではなく、幾分加減して全体として同じ太さになるようにした。また、カニチ口になる部分には整形用の木型を入れ、整形しやすいようにした。今回のウーンナの作製に当たっては、宜野湾市の大山区から技術指導を受けていた。そのため木型を使用するなど、ウーンナ作製のポイントとなる部分は大山の網作製技術が導入された。整えられた綱は、ワイヤーを掛けフォークリフトを使い持ち上げる。そして木槌で叩きながら市販のポリエスチレン製ロープで締めていった。ロープはI大和結びJ(図2ーl参照)と呼ばれている結び方で、砂糖キビを収穫する際にキビを束ねる結び方と同じである。網の結び方はほとんどこれのみを使用していた。おろす際には杭を抜き、9cm角の角材を枕木として置いていった。この作業と平行してカニチ口も市販のロープを使い結んでいった。この部分は輸になっているため人力で行われた。鉄筋で作られた手製の鈎を使いロープを通し木槌で打ちながらカニチロの内側と外側から2人で締めていった。カニチ口の化粧は30mの綱2本、20mの網2本の計4本、雌雄合わせると8本使用した。化粧はまずカニチ口の先端に30mの綱を二つ折りにしてひばり結びで結ぶ。その後それぞれ端に向かつて回し結びを交Eに繰り返して巻いていった(図2-2参照)。カニチ口の部分を終えると後は巻きつけていった。この化粧法は大山区の指導者が北谷用にアレンジしたものであり、大山区の網とは異なるようである。ティーンナはほぼ1m間隔で大綱に結んでいった。これも大和結びであるが、その長さは計測しながらではなく目分量で、平均1mほどであった。また、1ヵ所の結び目から同じ長さで2本出ているものもあり厳密に取り付けてはいないようであった。雌雄ともそれぞれ50本ほどである。《安良波公園での網打ち作業》記録:宮里真由美・高良都8月7日(金)(綱運搬)9 : 15 旧役場より網をユニック(クレーン付トラック)にて搬送開始(1回目)。10 : 25 会場となる安良波公園にユニック到着。時t

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