北谷町の綱引き
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③戦後2回目(1986年)綱は雌雄それぞれ1本で、材料は稲ワラである。材料の稲ワラは前回と同じく名護市字羽地から購入した。綱はまず3人l組となり時計廻りに捻りながら打っていく.そして出来上がり次第、綱の先端を持っている人が引っ張り、打つ人が作業しやすいようにした.出来上がった綱は会場である米軍ハンビー飛行場跡に運びこまれ、ウーンナに仕上げた.カニチ部分はドラム缶を鉄筋で固定し、それに網を巻き付け整形していった.綱をある程度整形した後は、砂糖キビを縛る市販の綱をつかい、カニチ口部分は数10cm間隔、それ以外は約1m間隔で縛っていった。この時、キピ用の綱は2本まとめて使用し、木槌で縛り口付近を叩きながら縛っていった。また作業がしやすいように、ウーンナと地面の聞には、厚手の板が所々に敷いてあるが、カニチ口部分は細目の網を使ってきれいに仕上げる必要があるので、ブロック等を使い人の腰の高さまで上げた。カニチ口表面に巻き付ける細目の網は木槌で町きながらカニチ口の先端中央から両端に向かつてウーンナに巻きつけていった。完成した綱の長さは雄綱が74.1m、雌綱は75.1mであった。また直径は両綱ともカニチ口部分で70cmほどであった。またカニチ口の長径は両綱とも約4mであった。ティーンナの本数は不明であるが、直径は写真から推測して9cmほどであったようである。④戦後3回目(1998年)網は雌雄それぞれ1本で、材料は稲ワラであった。材料の稲ワラは羽地ではワラを細切れに切り込むようになっていたので、金武町字屋嘉から15t購入した。綱の長さは雌雄それぞれ約75mほどで、直径は55cm""70cmほどであるが、網の端は35cmほどであった。ティーンナの取付には少々ムラがあり、本網に結んだ網の結び目から余った綱が場所によっては70cmほどあり、それらも含めると雌雄それぞれ50本ほどで、長さが1mほど、直径は9cmほどであった。イ.網打ちの詳細網打ちは雌雄とも旧北谷町役場跡地にて行われた。ここの全敷地を大きく2つに分け、ワラの保管と、最初のワラ仕分けと完成した綱の保管は庁舎内を使用し、綱打ちは駐車場を利用した。それぞれ役割を決めて行われた。稲ワラは、北谷町役場庁舎内にすべて搬入されており、まずそれを適当な太さの束にする(写真2-1)0それを足漕ぎの脱穀機を使い整え、網打ちとなる(写真2-2)。網打ちは一度に5本打っており(写真2-3)、それは順次庁舎内に取り込むようになっている(写真2-4)。打ち終わると板に綱の長さを書いて針金でくくり保管した(写真2-5)。この時網の長さがすぐにわかるように網を打つ場所から10mの所に印があり、これで長さを計測した。また完成した綱がわかるようにボードに綱の長さ、本数、日付が記録されていた(写真.2-6)。大綱の整形は、会場となる安良波公園にて行われた。整形はまず、網を重ねて置くため

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