北谷町の綱引き
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(8)野里①期日例年の綱引きは、旧暦6月24日のカシチーウユミ(折目)の日に綱を引くカシチージナ鋼)であった。野里でも五穀豊穣や、ムラ人の健康を願って綱を引いた。野里ではカシチーの日を定日とする綱引きのほか、日照りがつづくと臨時に綱を引く雨乞い綱や、3年越、13年越、25年越に綱を引くマールジナ(マーラシー)があった、というa毎年の綱引きは1937年に廃止となったが、1955年に野里共進会によって復活された(平敷、1990)。② 綱引き次第(1997年度)現在の綱引き行事は、野里共進会による祈願を中心とした行事である。以下、1997(平成9)年7月28日(J日暦6月24日)に行われた綱引き行事を時間の経過に沿って報告する。16 : 09 野里共進会の有志らがノロ殿内に集合。16 : 18 ノロ殿内での祈願を終えると、庭に組られる火ヌ神を拝した。持進会事務局長(喜屋武吉伸さん)が各香炉の前に白紙を置き〔合掌した。次にその白紙に酒をかけ、再度合掌したのち、花米を白紙の上に供えた。その後、火ヌ神に向かつて左側で白紙を焼いた。16 : 22 火ヌ神での祈願が終わると、再びノロ殿内に戻り、供物の直会があった。16 : 45 野里の合組所(嘉手納小学校裏<北側>)へ移動。17 : 00 野里の合組所での祈願。各香炉には白紙と線香15本を供えた。17 : 09 参加者全員で合掌したのち、香炉の前に花米を供えた。17 : 11 次にピジュルの調に供物を供えた。17 : 13 ビジュルに手を合わせ、花米を3回供えた。その後、酒を3回ずつ供えた。17 : 16 拝所の出入口に移動し、ワラ束を供えてイシンミクルク(石嶺久得・北東方向)に向かって遥拝を行った。17 : 20 ポラ、太鼓、ドラが各1個ずつ用意され、綱引きの準備を行う。17 : 22 合記される拝所に向かつて左側がイリで女性(雌綱)、右側がアガリで男性(雄綱)である。双方がロープ綱を持って揺らしはじめるとカニチ棒が差し込まれ引き始めた。その周囲では太鼓やドラの「トン、トン、ハーイヤ』のリズムが鳴り響く。綱引きは2回行われ、2回ともイリが勝った。17 : 30 綱引きが終わり、拝所の広場内で直会が行われた。-183-

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