北谷町の綱引き
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(6)伝道①期日旧暦6月25日に行われていた例年の綱引きは、尋常小学校1年生から高等科2年生までの子どもたちを中心に行うワラビジナ(子ども綱)であった。ワラビジナの由来などについては伝承されていない。②綱の材料と綱の形態戦前の綱は雌雄それぞれ1本ずつであった。材料の稲ワラは集落内で賄えたようである。稲ワラは各家から5束ずつ集められた。雌雄の綱の長さは、それぞれ5,...,10m程で、太さは50cm程であったという。カニチ棒の詳細については不明である。③備え・示威行為イ.旗頭例年の綱引きに旗頭は使われなかった。寅年に行う大綱引きに旗頭を1本用いた(大綱引きに使う旗頭については、第二章2・備え・示威行為を参照)。ロ.楽器とテービー綱引きに使った楽器は、アガリ(イーンダカリ)とイリ(シチャンダカリ)に1個ずつのドラガニだけであった。このドラガニを“ムラガニ"と言った。綱引きには双方のメンバーがよく鳴るドラガニを取り合った。ドラガニ打ちを担当したのは尋常小学校高等科2年生程度の少年たちであった。テーピーは、1本の竹を芯にして、5""'6本のウージンガラー(サトウキビの搾り殻)を被せて使った。伝道の綱引きは、子どもたちを中心とした綱引きではあったが、青年や年配の方々も綱引きに加わることができたため、周囲で見物していると、テーピーでもって綱を引くように促された。ガーエーも綱引きで勝ったところの青年がメーカタをした。④衣装多くのムラ人がパサーや餅の着物を着ていた。テーピーを持つ者は、濡れたタオルで頬被りをしていた。⑤綱の引き方イ.綱寄せとかんぬきの合わせ方イーンダカリ(上村渠)、シチャンダカリ(下村渠)双方とも網打ち場から綱を担いできた。それぞれfワッショイJrヨイシヨJな-173-雄綱‘尽トー-図3-8

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