北谷町の綱引き
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りを禁じた。特に男性の立入りを堅く禁じた拝所だという。現在、この御巌では5月ウマチ一、6月ウマチーの際に北谷ノロとノ口殿内の家人、そして旧字北谷郷友会の有志らによる拝みが行われているが、戦前は北谷三ヵ村・が合同で行う北谷三ヵ村大綱引きに先立つてのメーウガミ(6月24日)のみ、この御獄へ赴き農作物の豊穣やムラ人の健康、そして、大綱引きが首尾よく行われることを祈願したという。普段、立入りを堅く禁じるこの御巌もその日ばかりは、字北谷のヤクミ(役目)をはじめムラ人の立入りを許した。なお、現在の西御巌への入場に際しては、まず「グスク火の神」で入場の趣旨を述べて許可を得る。特に男性の場合は、この火の神で許可を得られなければ入場することができない。口.旧字伝道のメーウガミ伝道の旧家であるウフヤ(大屋)では、旧字からのメーウガミに先立つて8月7日(新暦)には、長老山に合間される字の拝所をはじめ、首里十二ヵ所、普天問権現、安良波リュウグを回って拝みをおこなった。巡拝は、日ごろからウフヤの拝み事をお願いしているウガミサーを依頼しておこなわれた。供物は、ウフヤのビンシ一、くだもの、ウチャヌク(大中小の餅を三重にしたもの3組)、ウチカビ(紙銭)、白紙、線香などである。写真2-156 西御巌(十三香炉)写真2-157 伝道ウフヤの火ゑ神と神棚写真2-158 火の神での祈願(郷友会からのメーウガミ)128-

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