北谷町の綱引き
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線香が供えられた。ノロ殿内の神棚に向かつて左側にまつる火ヌ神の香炉には、15本の線香3組がともされ、香炉の前には、シルクパンチン(半紙大小各3枚がl組)3組と、その上にフトゥチコー1束・24本(ヒラウコウ4枚)・15本(ヒラウコウ2枚と1/2)の線香が供えられた。二つに区切られた中央神棚の各香炉(左側に今ヌル・中ヌル・先ヌルの香炉、右側にウサチカニマン・クニデーの香炉)には、線香15本の2組がともされ、香炉の前にはシルクパンチン(大小3枚l組)が供えられた。村l棚に向かつて右側のカンティオーには、線香川本の3組と、シルクパンチン(大小3枚1組の3組)を供えた。ノロとウガミサーの知念さんが火ヌ神を拝み、次いで神棚とカンティオーを拝んだ。その都度、後方に控える郷友会の方々も手を合わせ、綱引きの安全と、ムラの繁栄を願った。拝みを終えたノロの文さんは、ノロ殿内のビンシーと旧字のビンシーから花米をつまみ、火ヌ神や神棚、カンティオーに供えられたシルクパンチンの上に添え、次いでビンシーの盃に注がれた酒を各香炉の前に捧げた。10時22分ころ、中央神棚の前には雌雄のガーラシ(支度)が着用する兜や、扇(軍配)が並べられ、再度祈りが捧げられた(戦前、ガーラシに関する拝みは村屋でおこなっていた)。拝みの途中、ウガミサーの知念さんによって安良波リュウグに日の丸(太陽神)を描いた扇を供えるようにとの託宣が伝えられたが、今回は準備が間に合わず見送りとなった。10時30分頃、ノロ殿内での祈願を終えた一行は安良波リュウグへ移動した。写真2-142安良波リュウグ(ナカヌシ)全景写真2ー140ノ口火ヌ神で祈願を行う北谷ノロ122 の末吉文さん(左)と、ウガミサーの知念さん写真2-141神棚に供えられたガーラシの兜

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