北谷町の綱引き
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尾よく行われることを祈願したあとで、郷友会会員による踊り(御前風)が奉納された。戦後2回目となる1986(昭和61)年の大綱引きに関連するメーウガミは、字ごとにそれぞれの拝所をまわり祈願を行った。字北谷では、現北谷ノ口の末吉文さんと屋号川ヌ端のおばあさん(故仲村渠カナさん、文さんの姉)が、安良波リュウグ・北谷スーガー(塩)I/)・長老山(北谷長老・字北谷のカー・殿・東リ御巌・西御嶺)などを巡拝し、大綱引きの安全を願った。旧暦6月25日には、郷友会の三役をはじめ、郷友会会員らがノロ殿内の神仏に大綱引きの成功を祈り、さらに末吉雪子さんが踊り(上り口説)を奉納した。大綱引きは新暦の8月3日(/日暦6月28日)に挙行された。北谷ノロ殿内(1998年8月9日<旧暦6月18日>)午前9時頃から北谷ノロ殿内には、旧字北谷郷友会会長(大綱引実行委員長を兼任)の照屋信正さんをはじめ、旧字の古老(5人)や、婦人(3人)たちが集まってきた。北谷ノロ殿内では、まず、①ノロ殿内→②安良波リュウグ→③マタジ(湧水神)→④北谷スーガー(塩)1 /)→⑤綱のカヌチ根軸→⑥長老山→⑦北谷グスクの順序で拝みを行うということが、ノロ殿内の当主である末吉清信さんより伝えられ、その後で北谷ノロの末吉文さんが、ノ口殿内の神仏にメーウガミの趣旨を述べ、次いでウガミサー(拝む人)の知念清子さん(字桑江出身、北谷ノロ殿内では、神写真2ー138メーウガミの趣旨を述べる北谷ノ口事での拝みに対しその拝みの正当性を神意に伺うため、その資質を有する知念清子さんを依頼することが10年来恒例となっている)が加わり、火ヌ神、神棚、カンティンオー(関帝王)を順次拝んだ。供物は、ノロ殿内のビンシー(酒・盃・花米の入った携帯用の御願道具)と旧字のビンシー。旧字からはビンシーのほかに、肴11品を盛った角膳(豆腐・肉・白かまぼこ・紅かまぼこ・見布・大根・ごぼう・てんぷら・チキン・田芋・サー写真2-139 旧字からの供物ターアンダーギー)、果物(みかん・バナナ・リンゴ)、7品の穀類(米・麦・大豆・小豆・黍・アカマーミ・オーマーミ)、クパンチン(紙銭)、大小のシルクパンチン(半紙)、-121-

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